イチゴの硬さとカルシウム

赤色の果実が鮮やかなイチゴ。
幅広い年齢層から愛されるこの果物の栽培にも、野菜や果樹と同じようにカルシウムが役立っているんです。

収穫・包装・出荷などの段階を経るうちに受けるダメージを少なくしつつ、日持ちの良さにも大きな影響を与える大切な栄養素。
カルシウムは葉やヘタ、根などに蓄積されますが、実は果実にも少しだけこの成分が流れ込んでおり、果実部分の品質を保つうえでとても重要な働きをしています。

研究によると、イチゴでは果実の内側や先端(ヘリでない方)にはほとんどカルシウムが蓄積されない一方、外側に蓄積される高めの濃度となったカルシウムが品質に影響するとのこと。

パッキングされたイチゴを買った時に、押されて傷みが出たものを見かけることがありませんか?
イチゴの果実は、収穫後のダメージに弱く、含まれるカルシウムの量が少ないと傷んだところから品質が劣化しやすくなります。カルシウムが果実の丈夫さを向上し、品質を長く保つことが分かっています。

ただ、他の肥料分を意識せずにカルシウムをたくさん与えると、逆に果実の健康をそこなってしまうことも。K(カリウム)やMg(マグネシウム)といった他の肥料分もバランスよく与えてあげましょう。

カルシウムは他にも、収穫された後の果実にカビが増えてしまうことを遅らせる効果や、果実の白化を防ぎつつ成熟している最中のアントシアニンに作用して果実の発色を保つ効果を持っています。
また、畑づくりの段階だけでなく、収穫前に水で希釈して葉面散布することもできるなど、必要な際に与えても効果を感じることができますよ!

収穫前のカルシウム施肥とカビ発生の関係

野菜だけでなく、販売力の高い果菜類や果物作りにもとっても役立つカルシウム。
ぜひ意識して、皆さんの畑でも活用してみてくださいね!

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イチゴの硬度を高め貯蔵性を良くするには?

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